スポーツがキッカケで鍼灸師を目指す方も
かつて鍼灸師といえば、家が代々、鍼灸院だから家業を継ぐためにおのずと技術を学んだという方や、視力が弱い方が、それゆえに研ぎ澄まされる感覚を生かして技術を身に着けるというケースが少なくありませんでした。
最近では学生時代にスポーツをやっていた方が、選手の際に受けた施術に感銘を覚え、自分も選手をサポートする側になりたいと志す方が増えています。
若手の成り手が増えるとともに、女性の鍼灸師も増えてきました。
スポーツ選手をサポートする鍼灸師
スポーツ鍼灸を手掛ける鍼灸師は、スポーツ選手時代の経験を生かしてコンディショニングや故障の改善などをサポートする方もいますが、大学や専門学校でスポーツ鍼灸の専攻科で専門的に学んでいる方が少なくありません。
スポーツ選手のコンディショニングやトレーニングプログラムを作成できる高度なスポーツ科学を学び、医療知識や健康科学、スポーツ生理学や運動による身体機能向上のメカニズムなどを学んでいます。
そのため、アスリート御用達の鍼灸院もあるほか、選手やチームの専属トレーナーとして活躍している鍼灸師も多いのです。
地域のチームや学校活動での貢献
大学の鍼灸学科で学んで鍼灸師資格を取得した方の中には、学生時代に中学や高校の保健体育の教員免許も取得する方もいます。
体育の時間や部活動を通じて、学生のコンディショニングや故障のケア、ケガの予防などに携わりながら、各人の能力を引き出し、勝てるチームへと導く指導などを行っています。
体育の先生としてのスポーツ実技の指導はもちろん、体の機能などについて分かりやすく伝えられるノウハウや学生の心身の健康を保つ役割、学校や試合などにおける突然のケガの応急措置などもできるのも頼もしい存在です。
中には鍼灸院を開きながら地域のスポーツチームの試合に帯同したり、学校の部活動の練習や試合をサポートしている方もいるほどです。
需要が高い人気のスポーツ鍼灸
神経痛などを抱える高齢者が通う場所、肩こりや腰痛に悩まされる中高年が行く場所とイメージされる方も多いですが、鍼灸院によっては学生さんやアスリートなどスポーツ選手の利用客が多い院やサロンも少なくありません。
日々の練習の疲労緩和や筋肉疲労の回復を早めたい人、ケガや故障の早期回復のためのリハビリ目的など、競技パフォーマンスアップのためにメンテナンスやコンディショニングに利用している方が多いのです。